風渡6「優れた縄文文化が栄えた地」

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根雪が消え、風が吹く春先の季節は、畑で矢じりや土器のかけら、石器などを拾うのに絶好の季節だ。矢じりや土器のかけらはたくさんの小石とともに霜柱に持ちあげられ、表面に露出しているので、すぐ見つけることができる。北に川が深く谷を刻んで流れ、南になだらかな土地が広がる、大きな馬の背のような台地には、縄文人の集落があり、活発に活動していたとみえ、必ずといっていいほどにたくさんの矢じりや土器のかけらが出た。八ヶ岳の西麓にはこのような地形の土地がいっぱいあった。縄文の時代、日当たりがよく、鳥獣に恵まれ、何本もの川が流れ、広大な森林が広がり、動植物が豊かな八ヶ岳の西麓は、たくさんの縄文人が生活し、優れた縄文文化が栄えた地であったようだ。国宝の縄文のビーナスや、重要文化財の仮面のビーナスなど優れた土偶の発見がこの地に集中していることも、このことを如実に証明している。わが家の一町歩の畑からは形のいい黒曜石の矢じりがたくさん出たので出たので、わざわざ拾いに行ったり、農作業中に拾ったりしたして、長年の間に小箱の中にジャラジャラ貯まっていた。あの固い黒曜石からどうやってこの形のいい、精巧な、芸術品ともいうべき矢じりを作り出したのか、陽に透かして見ながらあやしい魅力にとらわれたものである。
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